デジタル脚本アーカイブズ詳細ページ

スペシャルドラマ「冬構え」

作品No
ST-00306
放送年
1985年
放送系列/制作局
NHK
脚本家
山田太一
単発/連続
単発
受賞歴
「テレビドラマ代表作」
作品紹介
 年老いた岡田圭作(笠智衆)は自らの人生をどのように閉じようかと、独り晩秋の東北路へと旅に出る。そして、ホテルで働く若いカップルや一人旅の老女、寝たきりの昔の同僚らと出会い、その都度「いいじいさんのまま、この世を去りたい」という思いを反芻する。しかし、蕎麦屋に誘った一人旅の老女も「なかなかいい年寄りにはなれません」というように、それは言うほどに容易いことではない。また、死に場所を探して歩くがその都度躊躇する。  圭作は旅の終りに、道連れとなった若いカップルの男の実家に立ち寄る。そして、彼の祖父の「生きとるのが一番だなんて、そうしたことは言えねえ」という労りに、「しかし、死ぬのも、なかなか容易じゃのうて」と返して静かに微笑む。今でいう終活の葛藤が、背筋をぴんと伸ばして訥々としゃべり静かに微笑む。笠智衆のそういった佇まいが今でいう終活に、奥深い美を醸し出している。
タグ

検索結果一覧に戻る デジタル脚本データを読む

ページ /