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土曜ドラマ山田太一シリーズ 「タクシーサンバ」   第3話「路上の荒野」

作品No
ST-00250
放送年
1981年
放送系列/制作局
NHK
脚本家
山田太一
単発/連続
ミニシリーズ
受賞歴
「テレビドラマ代表作」
作品紹介
 タクシー運転手の人間模様を描くミニシリーズ。  エリート商社マンの朝田英一は、忙しさにかまけて家庭を省みず妻と娘とも別れることとなった。しかし今は、タクシー運転手となって仲間と楽しく働いている。この運転手同士の描写は、山田太一ドラマにはめずらしくお節介という人情に溢れている。しかしすべては、シリーズのメッセージ″一人では生きていけない″への布石となっている。シリーズの構成は、第一話「夜の少年」、第二話「愛のかたち」、第三話「路上の荒野」となっているが、このうちの第三話がそれを一番よく納得させてくれる。  ベテラン運転手の工藤智治は近々個人タクシーになる予定だった。それが外車のひき逃げ事件に巻き込まれて重要参考人となり、個人タクシーの資格を失いそうになる。そこで工藤を慕う運転手仲間が目撃者の沖山順平を探し出すのだが、彼は証言しようとしない。かつて誤認逮捕をされて悪い評判が立ち、人間不信に陥って人と関りをすべて避けていたからだ。浅田はそんな彼に、「あんたは、人を避けて、一生生きるほど強くない」、「本当に怖さを知ってる者は、助け合ってるよ」と諭す。  この「強くない」は、1976年の「男たちの旅路・非常階段」の「君たちは弱いんだ」に通じるもので、「助け合ってる」は同じ1981年の早坂暁作『夢千代日記』の「てんでしのぎの私たちですが、道連れがいます」を思い起こさせる。
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