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金曜劇場 早春スケッチブック

作品No
ST-00287
放送年
1983年
放送系列/制作局
フジテレビ
脚本家
山田太一
単発/連続
連続 全十二回
受賞歴
小市民の生き方を突く裂帛の台詞
作品紹介
 「お前らは、骨の髄まで、ありきたりだ!」、「魂は一ワットの光もねえ。そんな奴が長生きしたって何になる!」。腫瘍で視界が狭くなったカメラマン・沢田竜彦は、かつての恋人・望月都との息子・望月和彦と巡り合って、その家族とつき合うようになっても、彼らの小市民的な生き方を罵り続ける。和彦や都はそれに反発しながらも、自分の生き方はこれでいいのかと心を揺さぶられる。ただ、望月の父・省一だけが「どうせ俺は、つまらない男だよ」と当たり散らす。しかし死を前にした竜彦は、そんな省一の懸命に働く姿に打たれる。つまり、一ワットの光もない人たちに癒される。  テレビでは視聴者や市民を批判することはタブーとされている。ドラマもドキュメンタリーも例外ではない。山田太一はそういった禁じ手に真っ向勝負を挑んで、この「早春スケッチブック」で小市民性への侮蔑をこれでもかとばかりに叩きつけた。そうやって小市民生活に灯りを点したのだが、この侮蔑の数々は人間存在への本質的な問いを発するものでもあった。そう言った意味で、これはテレビドラマ史に稀有な連続ホームドラマといえる。
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