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山田太一(やまだたいち)

プロフィール
1934年―2023年。東京・浅草生まれ。1958年、早稲田大学教育学部国文科卒業。松竹に入社し木下恵介監督に師事し、退社後は木下監督と共にテレビドラマの世界に進出。TBSの「木下恵介劇場」、「木下恵介アワー」の脚本陣に加わり、木下恵介アワーの「3人家族」(1968年)で本格的に脚本家デビュー。その後、「それぞれの秋」(1973年)で従来のアットホームドラマを覆し、家族それぞれの社会的屈託を映すホームドラマを提起。「岸辺のアルバム」(1977年)でそれを家族崩壊劇へともっていき、家族のなかに社会問題を繊細に描くという日本のホームドラマの特性を創り上げる。また、脚本家の名前を冠した土曜ドラマ「脚本家シリーズ」(NHK)では、最初の脚本家として「山田太一シリーズ 男たちの旅路」(1976年)を執筆。脚本家の地位を高めるとともに、1970年代から80年代にかけてのオリジナルドラマの時代を先導する。以降、男たちの旅路「シルバー・シート」(1977年)では後期高齢者の屈託を描き、それを「ながらえば」(1982年)、「冬構え」(1985年)、「今朝の秋」(1987年)へと続けていく。また、男たちの旅路「車輪の一歩」(1979年)では若い障碍者の屈託を描き、その根底にある差別問題を「想い出づくり。」(1981年)のエイジング差別、「ふぞろいの林檎たち」(1983年)の学歴差別へと続ける。さらに「早春スケッチブック」(1983年)では、小市民的なるものへの軽蔑の先にその小市民による救済を見つめるというテレビドラマのフレームを超える作品を残す。この他、大河ドラマ「獅子の時代」(1980年)や「日本の面影」(1984年)でも、時代と社会から疎外された者の視点から日本の近代化を問いかける。近年の「時は立ち止まらない」(2014年)では、東日本大震災を地域社会の人間関係のなかに見つめている。脚本家史ということでいえば、平成ドラマを牽引した作家の多くは山田太一脚本を教科書として育っている。
代表作
スペシャルドラマ 「河を渡ったあの夏の日々」
木下恵介・人間の歌シリーズ 「それぞれの秋」
真夜中のあいさつ
なつかしき海の歌
土曜ドラマ・山田太一シリーズ 男たちの旅路 第1部第一話「非常階段」
金曜ドラマ 「岸辺のアルバム」 第1話
土曜ドラマ 山田太一シリーズ・男たちの旅路 第3部第一話「シルバーシート」
土曜ドラマ・山田太一シリーズ 男たちの旅路 第4部第三話 「車輪の一歩」
スペシャルドラマ 「あめりか物語」(第三話)
金曜ドラマ「沿線地図」
大河ドラマ「獅子の時代」
土曜ドラマ山田太一シリーズ 「タクシーサンバ」   第3話「路上の荒野」
金曜ドラマ「想い出づくり。」
ながらえば
金曜ドラマ「ふぞろいの林檎たち」
ドラマ人間模様「夕暮れて」
東芝日曜劇場「終りの一日」
金曜劇場 早春スケッチブック
スペシャルドマ「日本の面影」
スペシャルドラマ「冬構え」
ドラマ人間模様「シャツの店」
スペシャルドラマ「今朝の秋」
シリーズ街「表通りへぬける地図」

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